ちょうど20日前に海外でSurface3のメモリ4GB版を購入しました。日本での発売はまだですが、これから購入を考えておられる方にとって少しでも参考になればと思い、20日間使用した感想を書いていきたいと思います。数あるWindowsタブレットの中でSurface3が持つ魅力とは何でしょうか?Surface3Proにはない魅力とは?などの感想を書いていきます。
なぜSurface3なのか?
現在Vivotab Note8とW700を所有していましたが、それぞれに欠点がありました。
Vivotab Note8でスタイラスペンの良さに開眼しましたが、小さい8インチの画面では拡大してから書き込みするなどで、作業が捗りませんでした。なおかつ画面枠から1.5センチくらいの範囲はまともに入力できない不具合(仕様?)もありました。また2GBのメモリではブラウザで動画を見たり、タブをたくさん開いているとすぐにメモリを使いきってしまい、メモリ不足によるプログラムの強制終了にも頭を抱えていました。AndroidエミュのDuosもメモリを結構使うので、気を使いながら使用しなければなりませんでした。W700の方は11インチと画面が大きく、高精細で、メモリ4GBと性能的に申し分なかったのですが、タブレット単体で1キロと重く持ち運ぶ気にならないこと、ペン入力ができないこと、Coreプロセッサなのに動作がもたつくなどのストレスを感じていました。
そんな時にSurface3の発表がありました。これ一台でそれまでのストレスを解消でき、ゲタブ開始当初の理想のWindowsタブレットの5つの条件(最低4GBのメモリ、フルHD以上の高精細液晶、モバイルバッテリーで充電できる、スタイラスペンで入力できる、フルサイズのUSB3.0端子が付いている)に合致していたため、「これはWindowsタブレットの1つの完成形かもしれない」という期待とともに購入することとしました。
他のWindowsタブレットに比べてここがいい!
① スタイラスペンが便利
画面端でペン先認識が悪くなるなどの不具合もなく、ストレスフリーで使えています。ただ自分にとってはペン先の滑りが良すぎるので、VivotabNote8に付けていたような低反射指紋防止の液晶保護フィルムを貼ろうと思っています。
画面の端でも問題なく書き込める。
スタイラスペンを使用することで、OneNoteや手書きメモアプリを使っての手書きメモやノート入力をすることができます。またDrawboard PDFを使ってPDFに手書きで書き込むこともできます。Surface3の画面サイズと縦横比率は、書類や自炊した書籍との相性がとても良いので、そうしたPDFに手書きで書き込めるのはメリット大と感じます。DrawboardPDFは本来有料ですが、Surface3にはDrawboardPDF for Surface3がプリインストールされています。ただ、日本版では外されている可能性もあります。Pro3のようにMetamoji Noteがプリインストールされていたら・・・残念。メモ取るならOneNote、PDFに書き込むならDrawboardPDFなので、Metamoji Noteは個人的には必要ないです。
Surface用のDrawboardがプリインストールされている
さて、幸運にもDrawboardPDF for Surface3がプリインストールされている場合、あるメリットがあります。本来ストアアプリは同じアプリを同時に2つ起動できません。2つのPDFに同時に書き込みたい、という時はちょっと不便です。しかし、Surface3には、2つの版のDrawboardPDFがインストールできるため、同時に2つ起動させることができます。(もちろんDrawboardPDF無印は別途購入してください。)左画面でPDFに書き込みつつ、右画面で別のPDFに書き込むということもできるわけです。個人的にはとても大きなメリットでした。DrawboardPDFについて詳しくは、こちらの記事を御覧ください。→→→
PDFに手書きで書き込むならDrawboard PDFがWindowsタブレットでは最適解
② スタンドが便利
Surfaceシリーズには当初からスタンドが内蔵されていましたが、Surface3では3段階に可変させることができます。Surface3Proの
無段階可変には劣りますが、3段階でもとても便利な機能です。タブレット用の携帯用スタンドを持ち歩くこともなくなり、荷物も減らせます。ちなみに、
Surface3の背面にBunkerRing等のスマホ・タブレット用のリングを付けると、持つときに便利な上に、もう一段階Surface3の設置角
度を増やすことができます。この角度は机上でスタイラスペンを使用するときに便利な角度だと感じています。
スタンドを思いっきり倒そうとすると、この角度まで
BunkerRingで微妙な角度に倒せる
③ タイプカバーが便利
Surfaceシリーズの売りはタイプカバーですが、便利さはやはりピカイチです。Bluetoothキーボードの場合ペアリングの面倒さ、バッテリーの心配、持ち運びの億劫さがありました。しかし、タイプカバーはペアリングをする必要も、バッテリーを充電する必要もなく、カバーを兼ねているので、持ち運びの億劫さもありません。タブレットであるにも関わらず、ノートPCとして使えるのは大きなメリットです。他のタブレットでもキーボードが付属し、カバーとして使えるものもありますが、ほとんどがBluetoothキーボードを使用しているため、充電の心配、キーボード内のバッテリーによる重量増加などのデメリットがあります。またキーボードによっては初回入力するまでにタイムラグがあったり、誤作動する場合もあります。BluetoothでないタイプカバーはBluetoothのキーボードより安定性・信頼性、共に上回ります。
あと、タイプカバーにはバックライトも付いているので、暗闇でも問題なくタイピングすることができます。バックライトの明るさはタイプカバーのF3とF4で6段階調整することができます。
バックライトを最大輝度にしてみた
Pro3のタイプカバーはチルトモードにするとタイピング時に「たゆむ」という話をよく聞きますが、Surface3のタイプカバーは改善され、「たゆむ」ように感じることはありません。Surface3は家電量販店で試用品も展示されているので、試してみることをお勧めします。
④ フルサイズUSB端子
右がフルサイズUSB、左はMicroUSBポート
10型までのWindowsタブレットにはMicroUSB端子が1つのみしかない端末が多くあります。つまりOTGケーブルを持ち歩かないと出先でUSB機器を使用することができません。忘れると何回も出先の100円ショップで買い増しすることになります。しかし、Surface3ではフルサイズUSB端子がありますので、OTGケーブルを別途用意する必要はありません。とはいえ、他にMicroUSB端子がついていて、これは充電&データ転送を兼ねている端子ですので、OTGケーブルを用意すれば、USBハブなしで2つのUSB機器を同時に利用することができるようになります。
⑤ 細部までの妥協のなさ
高いから当たり前、と言われればそれまでですが、細部にまで妥協がないと感じます。堅牢性が高いマグネシウム製の本体、十分な音量と立体感を伴うフロント配置のステレオDolby認定スピーカー、ホワイトバランスが思いの外きちんと調整されている背面カメラなどなど、細かなところまできちんとした部材調達と、調整がなされているように思います。
Surface Pro3に対するSurface3のメリットとは?
私自身が感じているSurface Pro3に対するメリットは4つあります。
① ファンレスであること
ファンの音がなく静かなだけではありません。ファンから内部に取り込まれる埃による故障からの、またファン自体の故障からのストレスフリーを期待できます。
② モバイルバッテリーで充電できる
個人的にはこれが一番大きなメリットです。仕事柄いろいろな場所に行く機会があるので、コンセントに頼らなくてもすむというのはかなりのストレスフリーです。ちなみに現在使用しているモバイルバッテリーはEC TechnologyのPowerBankというもので、83Wh(22400mAh)の大容量なので理論上は、約28WhのSurface3を2回以上充電できることになります。理論上ですが。それと注意点がありますが、このバッテリーには3つの充電端子があり、それぞれ最大充電容量が1A、2A、2.5Aと分かれているのですが、Surface3をキチンと充電できるのは2A端子だけでした。他の端子ではAC充電扱いになり、充電はされていない感じでした。
使用中でも4~6Whで充電できていた
③ フルサイズのUSB端子だけではなく、MicroUSB端子も搭載されている
意外なメリットだったのがこれです。このMicroUSB端子は充電でも使いますが、手持ちのMicroUSB接続の機器や、OTGケーブルを使えば、フルUSB端子の機器も接続することができます。片方に外付けHDD,片方にUSBメモリなど、柔軟な使い方をすることができます。私のsurface3はWifiモデルでGPSが内蔵されていないため、必要なときはMicroUSB接続の小型GPSトングルを接続し、地図アプリのMaps Proを使っています。
外付けHDDをUSB端子に、小型GPSをMicroUSB端子に挿してみた。
④ 小型・軽量であること
Surface Pro3も十分小型ではありますが、ノートPCの代替を目的としているため大きめに作られています。一方Surface3はタブレットをノートPCとして使うことを目的としているため、iPad Airより少し大きめのサイズに収まっています。Surface3はSurface Pro3とiPad Airの中間のサイズです。それぞれとサイズ的には一回りほど変わります。Surface Pro3はA4ノート並の大きさで、Surface3はB5ノート並の大きさです。毎日持ち運ぶことを考えると、かばんにすっと収まるSurface3は絶妙なサイズと言うことができます。私自身の考えでは、B5というのは毎日持ち運ぶのにギリギリの大きさなのでは?と感じました。学生時代もA4ノートよりB5サイズのノートをよく使っていたような気がします。A4では沢山の情報を書けるが、持ち運びに難がある。A5では持ち運びは楽だけど、情報量が限られる。そんな2つの良いとこ取りをしたのがB5サイズです。
Surface3をA4用紙と比較
Surface3をA5サイズノートと比較
Atomは「非力」なのか?
Coreシリーズに比べれば「非力」なのは間違いありません。4K動画編集、Photoshopを使って何枚もの写真を同時に処理する、最新3Dゲームを高画質で楽しむなどの用途では力不足を感じるのは間違いないでしょう。しかし、Surface3で日常使いや文書作成など、一般の方が使用する分野で「非力」と感じることはまずありません。今では家電量販店などで実機に触ることができますので、ぜひ試していただきたいと思います。とはいえ、ちょっと操作してみて、Surface Pro3とSurface3の違いが分かる人はいないと思います。違いが出てくるのは、上記のような重い作業をさせる時だけです。
ただ家電量販店で私自身経験したことですが、今の時期、量販店側ではSurface Pro3の方を売りたがっているように感じます。先月、新宿にある某家電量販店でSurface3について問い合わせたところ、売り場の人が「Surface3はAtomプロセッサなのでお勧めしません。Atomは文字1つ打つのにも、もたつきますから。私ならSurface Pro3を買いますよ。」と強く勧められました。その販売員の方がネットブック時代のAtomしか使ったことがなかったのか、Surface Pro4が出る前の在庫処分でSurface Pro3を早く売り捌きたかったのか分かりませんが、何という時代錯誤・・・と感じました。これから販売店に行かれる方も、Surface Pro3を薦められるかもしれませんが、実際に実機を触ってみて決めていただければと思います。
Youtube上では様々なレビュー動画が載せられていますので、どこまで動くのか参考になるのではと思います。ゲームをSurface3上で動かす動画も沢山載せられていますが、BayTrail世代のAtomより格段にグラフィック性能は向上していると感じました。例えば、昔懐かしドリームキャストの名作ジェットセットラジオをSteamでダウンロードし、Vivotab Note8でプレイしようとしたことがありました。しかし、初期設定の最高画質ではプレイできる速度ではなく、設定で解像度をかなり低くしてようやくプレイできるレベルでした。それが、今回Surface3では初期設定の最高画質でも実機速度でプレイでき、CherryTrail世代のグラフィック性能の向上に驚きました。実機プレイの動画をあげてみました。カメラが良くないので綺麗な画質ではありませんが、実機はこれよりはるかに綺麗な画面で遊ぶことができます。
VIDEO
メモリ2GB版と4GB版
Surface3は2GB版と4GB版がありますが、せっかく買うのであれば、絶対に4GB版をお勧めします。2GBではメモリ不足によるプログラム強制終了の機会が増えます。4GBのSurface3を今使用していますが、メモリ不足に悩まされたことはありません。記憶域も64GB→128GBと倍増します。MicroSD読み込みができるとはいえ、読み込み速度は内部記憶域の方がはるかに勝りますので、記憶域が大きいに越したことはありません。
まとめ
タブレットの良さは持ち運びしやすい大きさ、軽さ、モバイルバッテリーで充電できることだと思います。対して、ノートPCの良さはキーボードで入力できること、パフォーマンスの良さが挙げられると思います。「これさえあれば何もいらない」をモットーとするSurface3は、まさにタブレットとノートPCの良さを一つにまとめた製品だと感じました。そして「これさえあれば何もいらない」というモットーは、周辺機器の点でもそう言えます。他のタブレットではどうしても必要で、いつも持ち歩かないといけない「スタンド」「OTGケーブル」「キーボード」「マウス」「カバー」・・・こうした周辺機器は買う必要も、持ち歩く必要もなくなります。
シンプルなのに必要なものは全部そろってるSurface3。「これはWindowsタブレットの1つの完成形かもしれない」という期待に見事応えてくれました。
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